アホウドリの
あれこれ

2023.04.27

小さな会社(ミニ会社)の存在意義

こんにちは。

アホウドリ運営会社、虎とバター株式会社代表の大石真理子です。

前運営会社からアホウドリを独立させるため去年の今日、2022年4月27日に虎とバター株式会社を立ち上げました。

 

会社の名前の由来は、創業年が後々わかりやすいように創業年の干支から。

また、虎と食べ物が関連する物語で印象的だったチビクロサンボからもらいました。

虎(恐ろしいもの)に対峙した時に機転を効かし、バターを得て家族とお腹いっぱいパンケーキを食べたサンボの幸運にあやかりたい。

ちょうどコロナという恐ろしいものに対峙している時だったので、そういう意味も込めました。

 

さて虎バタ。

お弁当ケータリングチーム、社員食堂チームと、共に働く仲間に恵まれ日々充実した仕事をさせていただいておりますが、自分にとってのこの1年は反省の日々でした。

 

そこで1年の節目に、会社内でパーパスを共有しました。

それをここにも貼り付けておきます。

 

「懐かしいものを、明日へ残す。

つくり出すもので、生きる力を届ける。」

 

これはこの先どれだけ会社が成長してもなくなっても

私がすべきことだと思っています。

 

突然ですが私の実家は大阪にあります。

高知県の父の実家から送られてくる無農薬の米や野菜。週末に母と祖母がトロ箱いっぱいに買ってくる魚を食べて育ちました。

両親からは「無駄なことをたくさんしなさい。文化芸術をすることは平和な時代にしかできないこと。」と教えられて割と伸びやかに育ちました。

自分のバックボーンも、心に残る教えも割と気に入っています。

働きマンだった母に代わって、祖母が教えてくれた繕い物や料理の知恵。そして母も、なんだかんだ言いながら味噌汁の基本、出汁をしっかり取ることを教えてくれました。

 

さて、そんな私を作った家庭の味。日本の家庭料理は、このまま行くと絶滅すると私は思っています。

少なくとも、私たちが子供の頃に食べてきたものは少しずつ絶滅してきています。

それは私たち女性が怠惰になったからではありません。むしろ忙しくなりました。

家事も、仕事も、子育ても、出産も、介護も。社会のシステムの歪みの中で、こぼれ球は全部女性が拾いなさい。と言われているような気持ちになることが、大人になってから増えました。

そんな中インスタのリールに流れてくるレシピは

「時短、爆速、レンチン、節約」です。

それらは今の私たちが本当に必要としている生活の知恵です。私も、それらのレシピを愛用してなんとか仕事と子育てを乗り切っています。ありがとうありがとう。

 

でも、私が人生を賭けてやりたいことではなさそうです。

 

ちょっと酸っぱすぎるうちの南蛮漬け。絶対に一般的ではないのだけれど、古くなった漬物を煮たもの。食べると思い出す光景のある味。

 

余裕がない時代に、これ以上追い詰めるようなメッセージも出す気はありません。だから、家庭の味を仕事として残したい。

女性たちの無償労働や、豊かな時代の専業主婦たちが守り育ててきた家庭料理の知恵と美味しさを価値に変えて。

家庭料理を仕事にすることで、この美味しさを残したいのです。

 

料理だけでなく、私たちの作り出すものが。

ささやかな声かけが。

歌が。

誰かの生きる力になれば。

食は、人を生かすものだと改めて思うのです。

 

そんなわけで、1年の節目に。

大袈裟にいうと、私が死んでも残したいことを。民謡のように鼻歌混じりに仕事中に歌い継ぐのではなく、パーパスとして言葉に固めさせていただきました。

1年前より少しどしっとした虎とバター株式会社(虎バタ)をこれからもひとつ、よろしくお願いいたします。

 

2023.4.27

虎とバター株式会社

代表取締役 大石 真理子